技法の発祥
玉楮象谷翁が中国の技法と我が国の技法を総合的に究明し作り出されたものです。轆轤(ろくろ)を用いて加工した素地に弁柄(べんがら)(黄色味を帯びた赤色顔料)摺りをして、生漆を刷毛ですり込み、更にそのうえに菰(こも)打ちをした後、拭漆仕上げする方法を象谷塗りといいます。真菰(まこも)とは、稲科の多年草で各地(利根川辺が有名)の川や池の渕に群生している茎の高さ2m、葉は90cmぐらいになる真菰の若い茎に、クロボ菌が寄生して出来た「こもす」と言われるものを輪切りにしてなかには入っているセピア色した粉末を取り出したもので、象谷塗りには欠かせない香川漆器特有の材料です。
象谷の技法
素地の作りはガラ筋と言われているかなり幅広い不規則な線(棧俵文様)を入れていて、一見轆轤の荒挽のような仕上げになっており、時には讃岐彫りを使用したのもあります。象谷塗りは堅牢にして素朴雅美にとんだ民芸風の漆器で、一見乱雑にみえる模様の線と独特の諧調は、見るたびにその人に興味深い陰影を発見させてくれ、また使えば使うほどに色が現われて渋味を深めます。昭和51年、象谷塗りも蒟醤、存清などと同様に国から伝統的工芸品産業振興法による産地指定を香川県が受けています。
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